新しくブロック塀を作る方の手引き
ブロック塀はプライバシーの確保、防犯や防火など、また町並みの景観に私たちの生活に大いに役立っています。しかし、地震においてはコンクリートブロック塀が倒壊するという事例もあり、その安全性の確保については、地域社会の共通する願いです。では、安全なブロック塀とはどういうものでしょう。それは、「何が起きても瞬時に倒れない塀」です。地震や台風などによる大きな横からの力を受けても、簡単に倒れることなく、人がその場所から避難するための時間や空間が確保される、粘り強いコンクリートブロック塀が安全な塀です。
1.注意する5つのポイント(建築基準法に抵触する規模の大きさ)
ブロック塀の設計の最低条件が建築基準法で定められ、さらに日本建築学会では、より安全性の確保を考慮した「コンクリートブロック塀設計規準」、「ブロック塀施工マニュアル」などで細かく設計・施工について規定されています。
重要な点は下の図にも示すように
【1】 鉄筋コンクリート造の基礎を設ける。
・基礎はI形でなく、逆T形やL形の形状にすると転倒に対する抵抗力が増します。
【2】 基礎は、地中深く根入れをする。
・コンクリートブロック塀設計規準では、35cm以上(塀の高さに比例した数値とする)と規 定されています。
【3】 縦および横方向の鉄筋は、間隔80cm以下(ブロック2個毎)で配筋し、頂部には横筋を配 置する。
・塀の高さにより鉄筋の径と間隔が規定されています。
・化粧ブロックの場合は縦方向の鉄筋を60cm以下で配筋する。
【4】 ブロックは、JIS品またはJIS品と同等以上の品質で正しい厚さのものを使う。
・ブロックは塀の高さにより12cm、15cmの厚さ以上と規定されています。
【5】 控壁は3.4mごとに設ける。
・控え壁は塀と同じブロック(空洞を全充填)などでつくり、必ず塀の鉄筋とつなぎます。
2.ブロック塀をつくっているときの注意するポイント
◎コンクリートブロック塀の工事では、次のことを施工者に要求してください。また、あなたも施 工中に最小限のチェックをしてください。
施工者への要求事項
1)ブロック塀の図面をもらう
◎特に、土の中に隠れてしまう基礎の断面図(大きさと鉄筋の太さ、本数が書かれています)、ま た積んだブロックの中に隠れてしまう鉄筋の配筋図をもらってください。(建築基準法に抵触しな い規模は規格書に添った工事)
2)基礎、配筋の現場写真をもらう
◎1)の図面どおりに施工したかの証拠写真です。(ガーデンビスタは施工記録写真を提出)
あなたがする工事中の最小限のチェック事項です(建築基準法に抵触する規模)
1)基礎の根入れ深さ
◎地面から基礎の底面までの深さが35cm以上あるかをチェックします。
2)基礎の配筋状態
◎たて筋の間隔が正しく塀の高さ程度まで立ち上がり、先端がL形かU形となっているかをチェッ クします。
◎ブロック塀の施工は建築コンクリートブロック工事士が指導するガーデンビスタ株式会社に工事 依頼すれば安心です。
3.ブロック塀と瑕疵について
◎民法717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)によりますと、「土地の工作物(ブロ ック塀)の設置又は保存に瑕疵があり、他人に損害を生じたとき、その工作物の占有者は、被害者 に対してその損害賠償の責任を負うただし、占有者が倒壊防止のために必要な注意をしたときは、 所有者がその責任を負わなければならない」と記されており、最終的にはその塀の持ち主が責任を 負わなければなりません。
4.ブロック塀のメンテナンスについて
◎一般にコンクリートブロック製品は他の建材に比べますと、耐久性に富んだ建材だといわれてい ます。しかしながらこれを使ってのコンクリートブロック塀となりますとその耐用年数は約30年 といわれています。
◎よい設計・施工によるブロック塀も年月が過ぎるにしたがって劣化が進みます。常に外気に接し 、風雨にさらされているブロック塀は、降雨・降雪等の気象条件でブロックのなかに水が入ること があります。この水はブロック表面を白く変色させたり(白華現象)、ブロックのなかで凍ったり 、汚れがついたり、さらには鉄筋にさびなどがでて、これによりブロックにひび割れがでるなど、 コンクリートブロックの外観や耐久性を損なわせるもとになります。したがって、これらの現象を 防ぐためには、コンクリートブロック内部へ水を浸透させないよう防水対策やメンテナンスが必要 です。あなたが住んでいる建物は適切なメンテナンスをしていると思います。ブロック塀も建物以 上にメンテナンスを必要としています。できれば、施工をした工事店に定期的な点検をお願いする と良いでしょう。
一般にブロック塀といわれている塀は、正式には補強コンクリートブロック塀といわれ、コンクリートブロックを積んだ壁(塀)を鉄筋で補強したものをいいます。
これに使われるブロックはJISで決められており、その種類のうち圧縮強さによる区分の記号で12(B)16(C)を、厚さは12cm(塀の高さ2m以下)と15cm(塀の高さ2.0~2.2m)を使います。また、ブロック表面に化粧を施したブロックも使われますが、これもJIS品と同等以上の品質を有したものを使います。建築基準法では、コンクリートブロック塀の最大施工高さは2.2m以下と規定されています。この高さを超えて施工する場合は、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって安全であることを確かめる必要があります。
施工現場の条件をよく検討し構造設計をすれば施工可能となります。
(社)日本建築ブロック・エクステリア工事業協会が実施するブロック塀診断士制度があります。各地区に多くのブロック診断士が登録されています。ブロック塀全般において材料、施工、規準様々な視点で既設ブロック塀について調査点検をして頂けます。詳しくはガーデンビスタに、お問合せください。